「未来都市NEOM(ネオム)」、ニュースやSNSでその壮大な計画を目にして、心が躍るような気持ちになったことはありませんか?
砂漠のド真ん中の未来都市。
AIが管理し、空飛ぶタクシーが飛び交い、
すべてのエネルギーが再生可能エネルギーでまかなわれる。
まるでSF映画のような世界が、現実のものになろうとしています。

そうですよね。
そして、そんな巨大プロジェクトに「投資」という形で関わることができたら…
と考える方も、少なくないのではないでしょうか。
でも、いざ調べてみると、
どうやってNEOMに投資すればいいの?
そもそもNEOMって株は買えるの?
と、多くの疑問にぶつかってしまいます。
もしあなたが今、そんな風に感じているなら、この記事はきっとあなたのためのものです。
壮大すぎて、どこから手をつけていいかわからないNEOMプロジェクトへの投資。
その霧を晴らし、具体的な一歩を踏み出すための道しるべとなるでしょう。
この記事は、未来都市NEOMに間接的に投資できる、注目の関連銘柄を10社をご紹介!
なぜそれらの企業が魅力的なのか、初心者の方にもわかりやすく、丁寧にお話ししていきます。
海外の個別株なんて、なんだか難しそう…
そう感じている方も、どうかご安心ください。
この記事を読み終えるころには、NEOMプロジェクトの核心部分と、その未来を支える重要なプレイヤーたちの顔ぶれが、きっとスッキリと理解できるはずです。
それでは、さっそく未来への投資の扉を、一緒に開いていきましょう。


- 自称日本一XANAに魅了された現役僧侶
- 2021年12月よりXANAコミュニティ「XANADAO」参加
- XANA関連NFTは100点以上所有
- メタバース関連ブログを運営
(Yoshi-Blog)
そもそもサウジアラビアの未来都市NEOM(ネオム)とは?
まず、NEOMがどのようなプロジェクトなのか、その全体像を掴んでおきましょう。
NEOMは、サウジアラビアの北西部に、日本の四国地方を上回るほどの広大な土地(約26,500平方キロメートル)を使って建設されている、未来都市プロジェクトです。
これは単なる都市開発ではありません。
サウジアラビアが石油に依存した経済から脱却し、新たな産業のハブとなることを目指す、国家戦略「サウジ・ビジョン2030」のまさに中心的な存在なのです。
NEOMの主な特徴
100%再生可能エネルギー
太陽光、風力、そしてグリーン水素を使い、化石燃料に頼らない社会を目指します。
持続可能な暮らし
全長170kmの直線都市「THE LINE」では、車が存在せず、人々は徒歩5分圏内ですべての生活必需施設にアクセスできます。
AIによる都市運営
交通、エネルギー、インフラなど、都市のあらゆる機能がAIによって最適化されます。
産業の革新
次世代の製造業、エンターテイメント、観光、食料生産など、未来の産業を育成する拠点となります。
「スマートシティ」を超える「コグニティブ・シティ」
NEOMを理解するうえで非常に重要なのが、「スマートシティ」という言葉の、さらに先を目指しているという点です。
これまでのスマートシティは、センサーなどを使って情報を集め、問題が「起きてから」対応するのが一般的でした。
いわば、賢い「後処理」が得意な街。
しかし、NEOMが目指すのは「コグニティブ・シティ(認知都市)」です。



大丈夫、難しく考える必要はありません。
いわば「未来を予測して、先回りしてくれる街」とイメージしてみてください。
コグニティブ・シティとは、AIが膨大なデータを解析し、住民のニーズや都市の問題を「事前に予測」し、問題が起こる前に解決策を提示してくれる都市のことです。
例えば、あなたが病気になりそうだとAIが予測し、自動で薬をドローンが届けてくれたり、交通渋滞が起こる前に信号システムが自動で調整されたり。
そんな「摩擦のない生活(frictionless living)」を実現するのが、コグニティブ・シティの目標なのです。
この壮大なビジョンを実現するために、NEOMは技術部門である「TONOMUS」を通じて、約10億ドルもの資金をAIやメタバースといった最先端技術に投資しています。


NEOMへの直接投資はなぜ難しい?関連銘柄に注目する理由
さて、ここからが本題です。
これほど魅力的なプロジェクトなら、「NEOM株式会社」のような会社の株を買いたいと思いますよね。






NEOMは、サウジアラビア政府の公共投資ファンド(PIF)が所有する、国家主導の巨大プロジェクトです。
そのため、ニューヨーク証券取引所やナスダック、あるいは東京証券取引所といった株式市場には上場していないのです。
では、諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
NEOMプロジェクトを技術やサービスで支える、世界中の「パートナー企業」に投資することで、間接的にNEOMの成長の恩恵を受けるという方法があります。
NEOMのような巨大プロジェクトは、決して一国だけで完結することはできません。
クラウドインフラ、AI技術、通信衛星、建設、物流、エネルギー…
あらゆる分野で、世界最高峰の技術を持つ企業とのパートナーシップが不可欠です。
これらのパートナー企業は、NEOMの成功に深く関わっており、プロジェクトが進展すればするほど、その企業のビジネスも拡大していく可能性が高いのです。
この記事では、そんな「NEOMの未来を共に創る」重要な役割を担う上場企業を、「NEOM関連銘柄」としてご紹介していきますね。
【本題】サウジアラビアのNEOM(ネオム)関連の注目銘柄10選
お待たせしました。
それでは、NEOMプロジェクトの心臓部を支え、未来の成長が期待される注目の関連銘柄を10社、厳選して見ていきましょう。
各企業が、NEOMにおいてどのような重要な役割を果たしているのかに注目してみてください。
銘柄名 (ティッカー) | 国 | 分野 | NEOMでの役割 |
---|---|---|---|
オラクル (ORCL) | アメリカ | クラウド、AI | コグニティブ・シティの基幹クラウドインフラ提供 |
エヌビディア (NVDA) | アメリカ | AI、半導体 | AIエンジン、デジタルツインの演算処理基盤提供 |
エア・プロダクツ (APD) | アメリカ | 産業ガス | 世界最大級のグリーン水素・アンモニア製造プラント建設 |
KBR (KBR) | アメリカ | エンジニアリング | プロジェクト全体の輸送・物流システムのコンサルティング |
ジェイコブス (J) | アメリカ | エンジニアリング | プロジェクトマネジメント、インフラ設計コンサルティング |
エイコム (ACM) | アメリカ | エンジニアリング | 交通インフラや環境関連の設計・コンサルティング |
ユーテルサット (ETL.PA) | フランス | 衛星通信 | 傘下のOneWebがLEO衛星による広域通信網を提供 |
DSV (DSV.CO) | デンマーク | 物流 | 100億ドル規模の物流合弁事業を設立し、NEOMの物流を独占的に担う |
オートデスク (ADSK) | アメリカ | ソフトウェア | 都市設計の基盤となるBIM/3Dモデリングソフトウェア提供 |
ACWAパワー (2082.SR) | サウジアラビア | 電力・水事業 | グリーン水素プロジェクトの主要パートナー、再生可能エネルギー開発 |
1. オラクル (Oracle / ORCL) – NEOMのデジタル頭脳を支えるクラウドの巨人
NEOMが目指す「コグニティブ・シティ」は、都市のあらゆる場所から集まる膨大なデータをリアルタイムで処理し、解析する能力がなければ成り立ちません。
その、いわば「都市の脳」とも言える情報処理のインフラを担うのが、データベースとクラウドの巨人、オラクルです。






オラクルはNEOMの技術部門TONOMUSとの提携により、NEOM内に専用のパブリッククラウドリージョン「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」を設置します。
これは単にクラウドサービスを提供する、というレベルの話ではありません。
NEOMの中に、NEOM専用の超高性能データセンターを建設する、ということです。
これにより、都市の機密データを国外に持ち出すことなく、安全かつ超低遅延で処理することが可能になります。
これは、国家レベルのプロジェクトであるNEOMにとって、絶対に譲れない条件なのです。
NEOMのAI、デジタルツイン、メタバース「XVRS」といったすべてのコグニティブな機能は、このオラクルのクラウド上で稼働することになります。
まさに、NEOMのデジタル戦略の根幹を握る、最重要パートナーの一社と言えるでしょう。
2. エヌビディア (NVIDIA / NVDA) – AIとメタバースを現実にする演算力の心臓
AIの学習や、現実そっくりのメタバース(デジタルツイン)を動かすには、人間の一生分に相当するような、膨大な計算を瞬時に行うパワーが必要です。
その圧倒的な計算能力を提供するのが、AIチップの王様、エヌビディアです。






エヌビディアはTONOMUS、そしてオラクルとの三社提携を通じて、NEOMに最先端のAIプラットフォームを提供します。
具体的には、同社の高性能GPU「A100」や「H100」へのアクセスを提供し、NEOMが都市レベルでの大規模なAIモデルを開発・運用することを可能にします。
さらに重要なのが、エヌビディアが提供するデジタルツイン構築プラットフォーム「Omniverse」の存在です。
Omniverseを使えば、現実の都市を、物理法則に至るまで忠実に再現した「デジタルの双子」を仮想空間に創り出すことができます。
NEOMは、実際に都市を建設する前に、このデジタルツイン上で様々なシミュレーション(交通の流れ、エネルギー効率、災害対策など)を行い、設計を最適化します。
オラクルが「都市の脳」なら、エヌビディアはその脳が思考するための「ニューロン(神経細胞)」の役割を果たす、と言えるかもしれません。
AIとメタバースがプロジェクトの核である以上、エヌビディアの重要性は計り知れません。
3. エア・プロダクツ (Air Products and Chemicals / APD) – 未来のエネルギー「グリーン水素」の担い手
NEOMは、100%再生可能エネルギーで稼働することを目指しています。
太陽光や風力はもちろんですが、天候に左右されずに安定して大量のエネルギーを供給・貯蔵する技術が不可欠です。
その切り札となるのが「グリーン水素」。
そして、この未来のエネルギーをNEOMで生み出す中心的な役割を担うのが、世界的な産業ガスメーカーであるエア・プロダクツです。
同社は、サウジアラビアのACWA Power、そしてNEOMとの合弁事業で、50億ドル以上を投じて世界最大級のグリーン水素・グリーンアンモニア製造プラントをNEOMに建設しています。
このプラントでは、再生可能エネルギーから得た電力で水を電気分解して「グリーン水素」を製造。
さらに、その水素を輸送しやすい「グリーンアンモニア」に転換し、世界中に輸出することを目指しています。
これは、NEOMが単なるエネルギーの消費地ではなく、世界のクリーンエネルギー市場をリードする「生産拠点」になることを意味します。
エア・プロダクツは、その心臓部となるプラントの建設・運営を担うわけですから、NEOMのエネルギー戦略における最重要パートナーの一社であることは間違いないでしょう。
4 & 5 & 6. KBR (KBR), ジェイコブス (J), エイコム (ACM) – 巨大プロジェクトを動かす「3人の指揮者」






全長170kmの直線都市「THE LINE」、海に浮かぶ八角形の工業都市「Oxagon」。
これら前代未聞の建設プロジェクトを計画通りに進めるには、高度な知見を持つ専門家集団による、プロジェクト全体の管理(マネジメント)が不可欠です。
NEOMは、その重要な役割を特定の1社に任せるのではなく、KBR、ジェイコブス、エイコムといった世界トップクラスのエンジニアリング・コンサルティング会社複数社と契約しています。
例えるなら、巨大なオーケストラに、それぞれ得意分野の違う「3人の指揮者」を招いているようなものです。
ある会社は交通インフラの専門家、ある会社は水資源管理の専門家、またある会社はプロジェクト全体の進捗管理の専門家、といった具合に、それぞれの強みを活かして、この複雑なプロジェクトを導いているのです。
直接的な建設や製品の提供ではないため少し地味に見えるかもしれませんが、こうしたプロジェクトマネジメントの専門知識がなければ、巨大プロジェクトは混乱し、頓挫してしまいます。
この3社は、NEOMという巨大な船が計画通りに進むための、優秀な「航海士」たちと言えるでしょう。
7. ユーテルサット・グループ (Eutelsat Group / ETL.PA) – 砂漠を空から繋ぐ宇宙の通信網
NEOMの広大な土地の隅々まで、高速・低遅延のインターネットを届ける。
これは、リアルタイムで都市のデジタルツインを維持し、コグニティブ・シティを実現するための絶対条件です。
しかし、地上に光ファイバーや5Gの基地局を張り巡らせるだけでは、山岳地帯や遠隔地をすべてカバーするのは困難です。
この課題を解決するのが、「宇宙」からのアプローチ、つまり通信衛星です。
フランスの衛星通信大手ユーテルサット・グループは、低軌道衛星(LEO)コンステレーションを展開する「OneWeb」を傘下に収めています。
そして、このOneWebが、NEOMの技術部門TONOMUSと2億ドル規模の合弁事業を締結し、NEOMの上空に衛星インターネット網を構築しているのです。
これにより、NEOMの領域の100%が、地上インフラの有無にかかわらず、高速インターネットでカバーされることになります。
この「空からの通信網」は、建設現場の遠隔監視、自動運転車の制御、砂漠での環境モニタリングなど、NEOMのあらゆる活動を支える神経網となります。
まさに、物理的な都市とデジタルな都市を繋ぐ、見えない生命線と言えるでしょう。
8. DSV (DSV / DSV.CO) – 100億ドル規模の物流を独占する巨人
都市を建設し、維持していくためには、天文学的な量の資材、部品、そして生活物資を、必要な場所に、必要なとき、正確に届けなければなりません。
この「都市の血流」とも言える物流を、NEOMで一手に引き受けるのが、デンマークに本社を置く世界有数の物流企業、DSVです。
DSVは2023年10月、NEOMと100億ドル規模の独占的物流合弁事業を設立することを発表しました。
これは、NEOMプロジェクト全体の物流を、この合弁会社が今後長期間にわたって担当することを意味します。






建設資材の輸送から、完成後の都市での商品配送、ドローン配送網の構築・運営まで、NEOM内のあらゆるモノの流れをDSVがコントロールすることになります。
しかも、その輸送手段はグリーン水素を燃料とするトラックや、最新の自動化倉庫システムなど、NEOMの理念に沿った持続可能なものになる計画です。
NEOMが成長すればするほど、この合弁事業のビジネスも拡大していくことは確実であり、非常に強固なパートナーシップと言えます。
9. オートデスク (Autodesk / ADSK) – 未来都市をデザインするデジタルの設計図
都市の建設は、まず「設計図」を描くことから始まります。
特にNEOMのような複雑な構造物では、従来の2Dの図面ではなく、あらゆる情報を内包した3Dモデル、いわゆる「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」が不可欠です。
そのBIMソフトウェアの分野で、世界的なリーダー企業がオートデスクです。
同社のソフトウェア「Revit」や「AutoCAD」は、世界中の建築家やエンジニア、建設会社にとって、まさに標準ツールとなっています。
NEOMのデジタルツインプラットフォーム「Mirrana」は、RevitをはじめとするBIMソフトウェアのデータを取り込み、統合する機能を持っています。
つまり、世界中の設計者たちがオートデスクのソフトウェアで作成したTHE LINEやOxagonの設計データを、シームレスにNEOMのデジタルツインに反映させ、シミュレーションを行うことができるのです。
NEOMという壮大なビジョンを、具体的な形ある「設計図」に落とし込むための、いわば「デジタルのペンと紙」を提供しているのがオートデスクです。
プロジェクトの最も上流である設計・計画段階から深く関わっており、NEOMの物理的な形を創り出す上で欠かせない企業と言えるでしょう。
10. ACWAパワー (ACWA Power / 2082.SR) – NEOMの夢を国内から支えるエネルギーの主役
NEOMのエネルギー戦略、特にグリーン水素プロジェクトにおいて、海外パートナーのエア・プロダクツと共に中心的な役割を果たすのが、サウジアラビアを代表する電力・水事業会社、ACWAパワーです。
同社は、エア・プロダクツ、そしてNEOMとの合弁事業の主要な一角を担い、世界最大級のグリーン水素プラントの建設と運営に深く関わっています。






ACWAパワーは、サウジアラビア国内だけでなく、中東、アフリカ、アジアで数多くの大規模な発電・淡水化プロジェクトを手掛けてきた実績があります。
特に再生可能エネルギー分野での経験が豊富で、NEOMが掲げる「100%再生可能エネルギー」という高い目標を実現するための、まさに「国内の実行部隊長」と言える存在です。
NEOMの成功は、サウジアラビア自身の産業育成と密接に結びついており、その象徴とも言える企業がACWAパワーなのです。
NEOMへの投資〜未来への第一歩:3つの投資アプローチ






個別株を10社の中から選ぶのは大変ですよね。
ここでは、あなたの考え方やリスクの取り方に合わせて、3つの異なる投資の切り口をご提案します。
アプローチ1:テクノロジーの「核心」に投資する (オラクル & エヌビディア)
もし、NEOMプロジェクトの成功と最も密接に連動する企業に投資したい、と考えるなら、オラクル (ORCL)とエヌビディア (NVDA)の2社が最有力候補になります。
なぜなら、この2社はNEOMが目指す「コグニティブ・シティ」の根幹、つまり「デジタル基盤」そのものを担っているからです。
- オラクル→都市のすべてのデータを集約し、処理する「脳」となるクラウドインフラを提供
- エヌビディア→その脳がAIとして思考し、メタバースとして世界を認識するための「心臓(演算能力)」提供
他のエネルギー、物流、建設といった分野ももちろん重要です。
しかし、それらすべてが機能するための大前提となるのが、この2社が創り上げるデジタルプラットフォームなのです。
この2社は、NEOMの成否を左右する「デジタル基盤」そのものを提供しているため、プロジェクトの進展と特に密接に連動すると考えられます。
アプローチ2:「国ごと」まるっと投資する (サウジアラビアETF)






個別企業の株を選ぶのはリスクも伴いますし、情報収集も大変です。
もっと広い視点で、「NEOMプロジェクトを推進するサウジアラビア経済全体の成長」に投資したい。
そんな方におすすめなのが、サウジアラビアETFです。
ETFとは「上場投資信託」のことで、たくさんの会社の株を詰め合わせた、いわば「株式の幕の内弁当」のような金融商品です。
これを一つ買うだけで、数十社から数百社の企業に自動的に分散投資できるのが最大の魅力です。
米国市場には、サウジアラビアの主要企業にまとめて投資できるiShares MSCI Saudi Arabia ETF (ティッカー: KSA)という代表的なETFがあります。
このETFには、サウジアラビア最大の銀行であるアル・ラジヒ銀行や、国営石油会社サウジアラムコ、そして先ほど紹介したACWAパワーなど、サウジアラビアを代表する企業がずらりと含まれています。
NEOMプロジェクトを資金面や産業面で支える、「サウジアラビアの国家代表チーム」にまるごと投資するようなイメージですね。
個別株ほどNEOMプロジェクトと直接的に連動はしませんが、サウジアラビア経済の成長の恩恵を手軽に、かつ分散された形で受けたい方には、非常に有力な選択肢となるでしょう。
アプローチ3:「縁の下の力持ち」に分散投資する (コンサルティング企業群)
デジタル基盤の2社ほど派手さはないけれど、プロジェクトの成功に不可欠な「縁の下の力持ち」に注目する、というのも面白い視点です。
KBR、ジェイコブス、エイコムといったエンジニアリング・コンサルティング会社は、NEOMという巨大で複雑なプロジェクトが、混乱せずに計画通り進むための羅針盤の役割を果たします。
これらの企業は、NEOMだけでなく世界中の大規模インフラプロジェクトに関わっており、特定のプロジェクトへの依存度が低いのが特徴です。
つまり、NEOMが万が一計画通りに進まなかったとしても、会社の経営が大きく傾くリスクは比較的小さい、と考えることもできます。
安定性を重視しつつ、NEOMの成功の恩恵も受けたい、というバランス重視の方には、これらのコンサルティング企業への分散投資も面白いかもしれません。
米国株等の始め方:おすすめネット証券3選






今回ご紹介した銘柄の多くはアメリカの証券取引所に、ETF(KSA)も米国市場に上場しています。
「米国株」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、今は主要な日本のネット証券で、日本株と同じような感覚で手軽に取引を始めることができます。
ここでは、初心者の方にも人気があり、米国株の取引がしやすい代表的なネット証券を3社ご紹介します。
※ここで紹介した銘柄のうち、ACWAパワー(2082.SR)など一部のサウジアラビア市場の個別株は、日本の多くのネット証券では直接の取り扱いがありません。iShares MSCI Saudi Arabia ETF (KSA)のような米国上場のETFを通じて、間接的に投資するのが現実的です。
証券会社 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
SBI証券 | ・口座開設数No.1の最大手 ・米国株の取扱銘柄数が豊富 ・TポイントやPontaポイントが貯まる・使える ・住信SBIネット銀行との連携で為替手数料が安い | ・どの証券会社にすべきか迷っている方 ・普段からTポイントやPontaポイントを貯めている方 ・為替手数料を少しでも抑えたい方 |
松井証券 | ・100年以上の歴史を持つ老舗証券会社 ・シンプルな手数料体系で、初心者にも分かりやすい ・顧客サポートが手厚いと評判 ・専用の米国株アプリがシンプルで使いやすい | ・投資が全く初めてで、手厚いサポートを求める方 ・複雑な手数料体系が苦手な方 ・老舗の安心感を重視する方 |
マネックス証券 | ・米国株の取扱銘柄数は業界トップクラス ・買付時の為替手数料が無料 ・銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」が非常に高機能 ・専門家によるレポートなど、投資情報が充実 | ・有名企業だけでなく、中小型の成長株にも投資したい方 ・自分で銘柄を詳しく分析して投資判断をしたい方 ・手数料を重視する方 |



上記の3社であれば、まず間違いないです。
※情報は変更される場合があります。最新の情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。
どの証券会社にもそれぞれの強みがあります。
ご自身の普段使っているサービス(銀行やポイントなど)との連携や、手数料、ツールの使いやすさなど、何を重視するかで選ぶのがおすすめです。
まずは口座開設(無料)をしてみて、実際にアプリなどを触ってみながら、ご自身に合った証券会社を見つけるのが良いでしょう。
NEOM関連銘柄へ投資する際のリスクと注意点
ここまで、NEOM関連の魅力的な投資先を見てきましたが、投資である以上、必ずリスクも存在します。
未来への大きな夢に投資するからこそ、足元のリスクもしっかりと理解しておくことが、賢明な投資家への第一歩です。






NEOM関連投資の主なリスク
プロジェクトの実行リスク
NEOMは前例のない、あまりにも壮大な計画です。技術的な問題、建設の遅れ、あるいは計画の大幅な変更や縮小といったリスクは常に存在します。
地政学的リスク
サウジアラビアは中東地域に位置しており、地域の政治情勢の変動がプロジェクトに影響を与える可能性があります。
倫理的リスク
AIがすべてを管理する「コグニティブ・シティ」は、プライバシーや個人の自由に関する深刻な倫理的問題を提起する可能性があります。世界的な批判が高まった場合、計画の見直しを迫られるかもしれません。
銘柄固有のリスク
ここで紹介した企業は、NEOM以外の事業も当然行っています。NEOMが順調でも、その企業の他の事業が不振であれば、株価は下落する可能性があります。
為替リスク
紹介した銘柄の多くは米国や欧州の企業です。日本円で投資する場合、ドルやユーロとの為替レートの変動が、投資の損益に影響を与えます。
これらのリスクを理解した上で、ご自身の投資方針やリスク許容度と照らし合わせることが非常に重要です。
投資の基本である「分散投資」を心がけ、ひとつのプロジェクトや銘柄に資金を集中させすぎないようにしましょう。
まとめ:最初は少額で。未来都市に投資してみよう!
今一度、サウジアラビアのNEOMに関連する銘柄表をご覧ください。
銘柄名 (ティッカー) | 国 | 分野 | NEOMでの役割 |
---|---|---|---|
オラクル (ORCL) | アメリカ | クラウド、AI | コグニティブ・シティの基幹クラウドインフラ提供 |
エヌビディア (NVDA) | アメリカ | AI、半導体 | AIエンジン、デジタルツインの演算処理基盤提供 |
エア・プロダクツ (APD) | アメリカ | 産業ガス | 世界最大級のグリーン水素・アンモニア製造プラント建設 |
KBR (KBR) | アメリカ | エンジニアリング | プロジェクト全体の輸送・物流システムのコンサルティング |
ジェイコブス (J) | アメリカ | エンジニアリング | プロジェクトマネジメント、インフラ設計コンサルティング |
エイコム (ACM) | アメリカ | エンジニアリング | 交通インフラや環境関連の設計・コンサルティング |
ユーテルサット (ETL.PA) | フランス | 衛星通信 | 傘下のOneWebがLEO衛星による広域通信網を提供 |
DSV (DSV.CO) | デンマーク | 物流 | 100億ドル規模の物流合弁事業を設立し、NEOMの物流を独占的に担う |
オートデスク (ADSK) | アメリカ | ソフトウェア | 都市設計の基盤となるBIM/3Dモデリングソフトウェア提供 |
ACWAパワー (2082.SR) | サウジアラビア | 電力・水事業 | グリーン水素プロジェクトの主要パートナー、再生可能エネルギー開発 |
さいごに、この記事のポイントをザザッっとまとめておきましょう。
NEOM投資のポイント
- NEOMはサウジアラビアの国家プロジェクトであり、直接株式を購入することはできない。
- 投資するには、プロジェクトを支える「パートナー企業」の株を買うのが現実的な方法。
- 関連銘柄は10社以上あり、クラウド、AI、エネルギー、物流、設計など、NEOMの「根幹」を担う企業が中心。
- 投資のアプローチは様々。テクノロジーの核心(オラクル、エヌビディア)を狙う方法や、国ごとまとめて(サウジアラビアETF)投資する方法も。
- 米国株やETFは、SBI証券や松井証券など、日本のネット証券で手軽に購入できる。
- プロジェクトの遅延や地政学、為替など、様々なリスクが存在することを理解しておく必要がある。
未来都市NEOMへの投資は、単なる利益追求以上の、壮大な物語に参加するようなワクワク感がありますよね!
もちろん、その道は平坦ではなく、多くの不確実性を伴います。
しかし、この記事でご紹介した企業たちは、それぞれの分野で世界最高峰の技術と実績を持ち、NEOMという枠を超えてもなお、わたしたちの未来を形作っていく可能性を秘めた企業ばかりです。
完璧な未来を予測することは誰にもできません。
大切なのは、情報を集め、自分なりに考え、リスクを理解した上で、納得のいく一歩を踏み出すことです。
ぜひ、あなたの資産形成のポートフォリオに、「未来」というスパイスを少し加えてみる。
そんな視点で、NEOMプロジェクトと、それを支える企業たちに注目してみてはいかがでしょうか。
さいごまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
参照元
- サウジアラビアNEOMプロジェクト公式レポート
- TONOMUS技術部門 公式発表資料
- Oracle、NVIDIA、OneWeb各社 プレスリリース
- 各企業IR情報・決算説明会資料