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Yoshibow
自称日本で一番XANAに魅了された僧侶。
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KIZUNA
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サウジアラビアの「NEOM(ネオム)」は開発できない?乗り越えるべき5つの巨大な壁

サウジアラビアのNEOMは開発できない?乗り越えるべき5つの巨大な壁
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砂漠のなかに、東京23区の約17倍もの大きさの未来都市が生まれる

そんなニュースを聞いて、ワクワクする方も多いのではないでしょうか。

サウジアラビアが進める超巨大プロジェクト「NEOM(ネオム)」。

空飛ぶタクシー、ロボット家政婦、そして都市全体が考える力を持つ「コグニティブ・シティ」。

まるでSF映画のような世界が、現実のものになろうとしています。

しかし、その一方でこんな声も聞こえてきます。

そんな夢のような世界、ホントに開発できるの???

Yoshibow

その疑問、ごもっともです。

あまりに壮大な計画だからこそ、その裏側にある課題やリスクを知りたいと思うのは当然のこと。

そこで今日は、このNEOMプロジェクトが直面している「5つの巨大な壁」について、正直に、わかりやすく解き明かしていきます。

この記事を読み終えるころには、ニュースが報じる華やかな側面だけでなく、未来都市が生まれるまでのリアルな道のり、その難しさ、そして本当の価値が、きっと理解できるはずです。

それでは、はじめていきましょう!

この記事を書いた人
Yoshibow
  • 自称日本一XANAに魅了された現役僧侶
  • 2021年12月よりXANAコミュニティ「XANADAO」参加
  • XANA関連NFTは100点以上所有
  • メタバース関連ブログを運営
    Yoshi-Blog

@chad78xx

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そもそもNEOMってどんなプロジェクト?

KIZUNA
ニュースでよく聞くけど、結局何がすごいの?
Yoshibow
いい質問ですね。まずはNEOMの核心部分を、簡単におさらいしておきましょう。

NEOMは単なる「新しい都市」ではありません。

その最も重要なコンセプトは「コグニティブ・シティ(認知都市)」です。

コグニティブ・シティとは、都市そのものが人間のように「認知」し、「思考」する都市のこと。

これは、従来の「スマートシティ」の概念をはるかに超えるものです。

スマートシティが交通渋滞などの問題が「起きてから」対処。

コグニティブ・シティはAI(人工知能)を駆使して、住民のニーズや都市の問題を「起きる前に」予測し、先回りして解決策を提供します。

いわば、都市全体が、そこに住む人々にとって最高の秘書になるようなイメージですね。

この壮大なビジョンを実現するために、NEOMは3つの主要な地域で構成されています。

NEOMを構成する4つの主要地域

  • 🏙️ The Line(ザ・ライン):全長170km、幅わずか200mの壁のような建物の中に、すべての都市機能を詰め込んだ直線都市。車が存在せず、再生可能エネルギー100%で稼働します。
  • 🏭 Oxagon(オクサゴン):海に浮かぶ八角形の次世代型工業都市。最先端のクリーン産業と物流のハブを目指します。
  • 🏔️ Trojena(トロジェナ):山岳地帯に作られる、中東初の屋外スキーリゾートを含む観光地。2029年のアジア冬季競技大会の開催地にも選ばれています。
  • 🌅Sindalah(シンダーラ):紅海に浮かぶ高級アイランドリゾート。2024年10月に正式に開業。

これらの物理的な都市と対になる存在が、メタバース「XVRS」です。

XVRSは、物理的なNEOMの街並みやインフラ、人々の活動までをリアルタイムで反映する「デジタルの双子」のようなもの。

このデジタルツインがあるからこそ、都市の状況を正確に把握し、未来を予測する「コグニティブ・シティ」が機能するのです。

まさに、現実世界(フィジカル)と仮想世界(デジタル)が完全に融合した、人類史上初の試みといえるでしょう。

サウジアラビアのNEOMは開発できない?乗り越えるべき5つの巨大な壁

しかし、この前人未到のプロジェクトは、決して平坦な道のりではありません。

ここからは、NEOMが「開発できないかもしれない」とまで言われる原因となっている、5つの巨大な壁を一つひとつ、詳しく見ていきましょう。

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壁の種類概要主な論点
① 技術統合の壁個々の技術は最先端だが、それらをゼロから大規模に統合した前例がない。システムの複雑性、連携リスク、未知の不具合
② 倫理の壁住民のデータを90%活用する「コグニティブ・シティ」がもたらすプライバシー懸念。監視社会への恐怖、データ所有権、社会的合意の形成
③ 計画と現実の壁壮大すぎる初期計画と、実際の建設における遅れや規模縮小とのギャップ。The Lineの計画変更、投資家の信頼、実現可能性への疑念
④ 経済的な壁莫大な建設・運営コストを、持続可能な形で賄えるかという問題。オイルマネーへの依存、投資対効果(ROI)、長期的な収益モデル
⑤ 人間の心の壁すべてが管理された「摩擦のない生活」を、人々が本当に望むのかという根本的な問い。人間の自律性、文化的多様性の受容、移住の動機付け

それでは、最初の壁から見ていきましょう。

【壁①】前例なき技術の統合 「究極の積み木」は完成するのか?

KIZUNA
AIにデジタルツイン、衛星通信…いろんなすごい技術を使っているんですよね?
Yoshibow
その通りです。ただ、問題は個々の技術の性能ではなく、それらを「組み合わせる」ことの難しさにあるんですよ。

NEOMの構想は、まさに世界中の最先端技術のショーケースです。

  • 都市の頭脳となる「AI(人工知能)」
  • 現実世界を仮想空間に再現する「コグニティブ・デジタルツイン」
  • どこにいても繋がる「5G+/光ファイバー/LEO衛星通信」
  • 人間の代わりに働く「先進ロボティクス」

これらの技術は、それぞれが非常に高度で専門的です。

問題は、NEOMが、、、

NEOMが、これらすべての最先端技術を、ゼロから、同時に、かつ巨大な都市規模で統合しようとしている

という点にあります。

これは、人類がいまだかつて経験したことのない、とてつもなく複雑な挑戦です。

いわば、世界最高級のエンジン、タイヤ、シャーシ、AIナビを集めてきても、それらを組み合わせるための完璧な設計図と、寸分の狂いなく組み立てる超人的な技術がなければ、スーパーカーが完成しないのと同じ。

参照している技術レポートには、この複雑な構造を支える「技術スタック」の図が示されています。

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技術レイヤー特定技術/プラットフォーム主要パートナー/プロバイダー
コグニティブエンジン予測的機械学習、AITONOMUS, NVIDIA
コネクティビティLEO衛星、5G+、光ファイバーTONOMUS, OneWeb
クラウドインフラOracle Cloud Infrastructure (OCI)Oracle
コンピュートNVIDIA A100/H100 GPUNVIDIA
レンダリングエンジンUnreal Engine, NVIDIA OmniverseEpic Games, NVIDIA
データガバナンスM3LDプラットフォームTONOMUS
物理インターフェース先進ロボティクス、IoTTONOMUS, パートナー各社

これだけの異なる企業の、異なる技術を、一つの巨大な有機体のように連携させる。

たった一つのシステムに不具合が生じただけで、都市機能全体が麻痺してしまうドミノ倒しのようなリスクを常に抱えているのです。

これが、NEOMが乗り越えなければならない第一の、そして最も技術的な壁といえるでしょう。

【壁②】便利さの先の倫理問題 「プライバシーの悪夢」を越えられるか?

KIZUNA
住民の好みを先回りしてサービスしてくれるのは便利そうですけど…なんだか自分のこと、全部見られているみたいで怖くないですか?
Yoshibow
鋭い指摘ですね。

その「便利さ」と「怖さ」のバランスこそ、NEOMが直面する最も繊細で、最も重要な課題なんです。

NEOMが目指す「コグニティブ・シティ」の根幹は、膨大なデータ活用にあります。

その目標は、、、

住民が生成するデータの90%を活用すること

これは、従来のスマートシティが活用するデータ(約1%)とは比較にならない、ケタ違いの数字です。

この膨大なデータをAIが分析することで、

  • あなたが病気になる前に病院の予約を提案する
  • あなたが空腹を感じる前に、好みのレストランからドローンが食事を届ける

といった、究極のパーソナライズサービスが可能になります。

しかし、このビジョンは、諸刃の剣です。

一歩間違えれば、個人の思想や行動がすべて監視・管理されるような世界になりかねません。

実際に、一部のメディアからは「プライバシーの悪夢」であるとの厳しい批判も受けているのです。

もちろん、NEOM側もこの問題を重く受け止めています。

その答えとして開発されたのが、革新的な個人データ管理プラットフォーム「M3LD(メルド)」です。

M3LDとは、いわば「自分専用のデータ金庫」。

自分のどんな情報を、誰に、いつ、何のために提供するのか。そのすべての鍵を、企業や政府ではなく、ユーザー自身が握ることを可能にするプラットフォームです。

  • 同意管理:誰が自分のデータを持っているかを一覧で確認できる。
  • プライバシー設定:データを提供する相手や目的に応じて、細かく許可・拒否を設定できる。
  • インセンティブ:自分のデータを提供することに同意すれば、報酬を受け取れる。
  • AIによる要約:難しい利用規約をAIが分かりやすく解説してくれる。

このM3LDは、データ経済における信頼を取り戻すための、非常に野心的な試みです。

しかし、問題は残ります。

技術的な壁を乗り越えた先にある、この「倫理」と「社会的合意の形成」という見えない壁。

これこそが、NEOMの未来を左右する、第二の壁なのです。

【壁③】壮大すぎる計画と現実 「170kmの都市」はどこへ?

KIZUNA
あの鏡の壁みたいな都市「The Line」って、本当にあのままできるんですか?
Yoshibow
そこが、多くの人が最も気になっている点かもしれませんね。

壮大なビジョンと、建設の現実との間には、少しギャップが見え始めています。

NEOMプロジェクトの象徴ともいえるのが、全長170kmに及ぶ直線都市「The Line」です。

発表当初、そのあまりに斬新なコンセプトは世界中に衝撃を与えました。

しかし、 최근の報道によると、この計画にいくつかの変更が生じているようです。

当初、2030年までに150万人の居住を目指していたThe Line。

現在ではその目標が30万人未満に下方修正され、建設範囲も170kmのうち、わずか2.4kmに縮小されるとの見方が強まっています。

もちろん、プロジェクトが巨大であればあるほど、計画の変更や遅延はつきもの。

NEOM側も、段階的に建設を進めていく方針を強調しています。

しかし、この「計画と現実のギャップ」は、プロジェクトの将来にいくつかの影を落とします。

  • 投資家の信頼:壮大なビジョンに惹かれて投資した人々が、計画の縮小をどう受け止めるか。
  • 将来の住民の期待:完成形を夢見て移住を考えていた人々が、計画の遅れや変更に失望しないか。
  • 技術的な課題の露呈:計画縮小の背景に、想定以上の建設の難しさやコストの問題があるのではないか、という憶測を呼ぶ。

この「壮大なビジョン」と「建設の現実」との間に横たわるギャップをどう埋め、世界を納得させ続けることができるのか。

これが、NEOMが直面する第三の、非常に現実的な壁です。

【壁④】莫大なコストと経済的持続性 「誰が費用を払い続けるのか?」

KIZUNA
これだけすごいものを作るのって、お金がいくらあっても足りなくないですか…?
Yoshibow
まさにまさに

莫大な建設費用と、それをどうやって持続可能な形で賄っていくのか。これはNEOMの生命線ともいえる問題です。

NEOMプロジェクトの総工費は、最低でも5000億ドル(約75兆円)以上と言われています。

その資金の源泉は、サウジアラビアの政府系ファンド、つまり「オイルマネー」です。

技術開発を担う子会社TONOMUSだけでも、AI関連の製品開発に約10億ドルを投資しています。

さらに、NEOM全域に衛星インターネットを提供するOneWeb社との合弁事業には、2億ドルが投じられました。

これらは、プロジェクト全体から見れば氷山の一角にすぎません。

ここに、第四の壁が存在します。

それは、「莫大なコスト」と「経済的な持続可能性」の壁です。

考えられるリスクは、大きく分けて2つあります。

オイルマネーへの依存

NEOMの資金源が原油収入に大きく依存している以上、国際的な原油価格の変動や、地政学的なリスクがプロジェクトの進行に直接的な影響を与える可能性があります。

将来、サウジアラビアが「脱石油」を目指しているからこそ、このプロジェクトを推進しているという側面もありますが、短中期的に見れば、この依存構造は大きなリスクです。

収益モデルの確立

建設に天文学的な費用がかかるだけでなく、完成後も都市を維持・運営していくためには継続的な収益が必要。

NEOMは、産業都市Oxagonへのテナント誘致や、デジタルツインの産業利用などで収益を上げる計画です。

しかし、都市全体の運営コストを賄い、さらに投資を回収できるほどの持続可能なビジネスモデルを確立できるかは、まだ未知数です。

オイルマネーという強力なエンジンに頼りながらも、いつかは自立した経済圏として飛び立つことができるのか。

この経済的な壁は、プロジェクトの夢を現実につなぎとめる、最も重い足かせなのかもしれません。

【壁⑤】「未来の生活」への招待状 「本当に、そこに住みたいか?」

KIZUNA
うーん…話を聞けば聞くほど、すごい都市なのはわかるんですけど、自分が住むとなると、なんだかちょっと大変そうに感じてきました。
Yoshibow
その感覚こそ、NEOMが最後に乗り越えなければならない、最も高く、そして最も人間的な壁なんです。

仮に、NEOMがこれまでの4つの壁(技術、倫理、計画、経済)をすべてクリアしたとしましょう。

前例のない技術は統合され、プライバシーは完全に守られ、計画通りに都市が完成し、経済的にも自立した。

そんな完璧な未来都市が、砂漠のなかに誕生しました。

しかし、さいごにして最大の問いが、わたしたちの前に現れます。

NEOMが提供するのは、「摩擦のない生活(frictionless living)」

AIがすべてを先回りし、面倒なことや不便なことが徹底的に排除された、効率的で快適な毎日。

しかし、人間は本当にそれだけを求めているのでしょうか。

  • ちょっとした不便さの中にある発見の喜び。
  • 計画通りにいかない偶然の出会い。
  • 自分で考えて、迷って、失敗して、そこから学ぶという経験。

これら人間的な「ゆらぎ」や「余白」がまったくない、完全に管理された社会は、人によっては息苦しく、無機質なものに感じられるかもしれません。

これが第五の壁、「人間の心の壁」です。

NEOMの成功は、世界中から多様な文化や価値観を持つ人々を惹きつけ、移住してもらわなければ成り立ちません。

しかし、このまったく新しい生活様式を、人々が受け入れ、魅力を感じてくれるかどうかは、誰にもわかりませんよね。

技術がいかに進化しても、都市の主役は、そこに住む「人間」です。

その人間の心という、最も予測不可能で、最も複雑なものを動かすことができるのか。

これこそが、NEOMに突きつけられた、究極の挑戦状なのです。

まとめ:NEOM開発の道は険しい、だが、、、?

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課題内容
【壁①】技術統合の壁 ⚙️前例のない規模での最先端技術の組み合わせは、未知のリスクをはらんでいる
【壁②】倫理の壁 ⚖️データの90%を活用する便利さと、「プライバシーの悪夢」になりかねない危険性は表裏一体
【壁③】計画と現実の壁 🏗️The Lineの計画縮小など、壮大なビジョンと建設の現実との間にギャップが生まれている
【壁④】経済的な壁 💰莫大な建設コストと、それを賄うための持続可能な収益モデルを確立できるかという課題あり
【壁⑤】人間の心の壁 ❤️技術的に完璧な都市が完成しても、人々が「そこに住みたい」と思うかどうかという根本的な問いが存在

NEOMは、人類の未来をかけた、壮大な社会実験です。

もし成功すれば、都市のあり方を根本から変え、わたしたちの生活に革命をもたらすでしょう。

しかし、見てきたように、その道のりには巨大な壁がいくつも立ちはだかっています。

大切なのは、このプロジェクトを単に「成功か、失敗か」の二元論で見るのではなく、その挑戦のプロセスから、わたしたちが何を学べるかを考えることなのかもしれません。

NEOMの挑戦は、わたしたち一人ひとりに「本当に豊かな暮らしとは何か」「テクノロジーと人間はどう向き合うべきか」を問いかけてくれているのです。

その問いに対する自分なりの答えを探していくこと。

それこそが、この壮大な物語を追いかける、一番の醍醐味なのかもしれませんね。

さいごまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

サウジアラビアのNEOMは開発できない?乗り越えるべき5つの巨大な壁

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